クリーニングのかつら
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step_06 ドライクリーニング対象品は?

ドライ可 のマークがついているもの。
石油系ドライ の場合には、石油系溶剤によるドライクリーニングが必要です。
ドライ不可 のマークの場合には、ドライクリーニングは行えません。
   

どのような基準で上のマークを選ぶのでしょうか?

家庭用品品質表示法では、JIS(日本工業規格)を準用して選定するように規定しています。
JIS規格のなかでも、衣料品に関連する部門として「繊維」があり、 頭にLの記号がつく四桁の数字で規格が分類されています。

   
主な繊維部門の規格

染色堅ろう度
L 0841 日光に対する染色堅ろう度試験方法
L 0842 カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法(一般的)
L 0843 キセノンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
L 0844 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
L 0846 水に対する染色堅ろう度試験方法
L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法
L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
L 0860 ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法
L 0861 有機溶剤に対する染色堅ろう度試験方法

物性試験
L 1018 ニット生地試験方法
L 1076 織物及び編物のピリング試験方法
L 1096 一般織物試験方法

 

染色堅ろう度とは?

繊維製品が、その製造工程からその後の使用や保管中の色々な作用に対する色の抵抗性をあらわし、1〜5級の数値で○級とか○-△級といった表現で変退色と汚染(色移り)を表現します。
判定は、変退色用グレースケール、汚染用グレースケールといった基準となるものを使用し、目視で判断します。
数値の大きいほど堅ろう度が良くなりますが、最低○級なければならないという基準はありません。

洗濯堅ろう度の試験には、石けんを用いる方法(A法)、合成洗剤を用いる方法(B法、C法)などがあります。
汗に関しては、体調等により汗が酸性やアルカリ性と変化するために、酸性とアルカリ性の人工汗を用いて測定します。
ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験は、パークロロエチレンを用いて試験するのですが、試験液として調整される液が現実のクリーニング現場とかけはなれているのが少し気になります。

有機溶剤に対する染色堅ろう度試験には石油系溶剤が使用されます。
本来でしたら、ドライクリーニング試験で染色堅ろう度が高かったものが ドライ可 表示で、ドライクリーニング試験では低かったが、有機溶剤に対する染色堅ろう度試験で
染色堅ろう度が高かったものものが ドライ石油系 表示
どちらの試験でも、染色堅ろう度が低かったものが ドライ不可 と表示されているべきなのですが、生地段階での試験は行われても、製品に仕上がった状態での試験は行われていないのが現実のようです。

 

ちょっと注意して!!

 
時々、ドライ石油系表示で、『タンブラー乾燥禁止! 風乾してください』 といった注意書きが書かれたものがあります。

石油系溶剤は温度と風量がないと乾燥するのに時間がかかりますし、タンブラー(回転乾燥機)を使用せずに自然乾燥を行うということは、作業環境中に石油系溶剤のガスが広がることでもあり、作業者へ与える影響や大気中への拡散を考えるとあまり良いことではないのではないでしょうか。
基本的には家庭用回転乾燥機(電気やガスによる温風乾燥で容量の小さなもの)の使用を禁止するものとして考えるべきでしょう。
できるならば、このような乾燥方法を要求しない製品作りを行っていただくことを期待します。
 

こんな絵表示だったらどうしよう?

 最近は減りましたが、
水洗い不可  塩素漂白不可  アイロン不可 ドライ不可  といった表示の衣類があります。

付記として、『クリーニング店にご相談ください。』などが書かれていますが、クリーニング業者としてはとっても困る表現です。
基本的には、「水洗いもドライクリーニングも出来ません」ということですから 『洗えない衣類』を販売している訳です。
このような表示の衣類をクリーニングして、トラブルが発生した場合はクリーニング業者や洗ったあなたの責任であって「製造業者」や「販売業者」は責任を負いませんということになります。
「あなたが自分で洗ってトラブルが生じても責任は負いませんよ」と言っている訳です。

実際にはクリーニング可能な製品もありますが、このような表示を必要とする衣類を販売されるのなら、最初から洗えない衣類として販売していただきたいものですね。
このような衣類の場合には、販売店もしくはメーカーより詳細なお手入れ方法を事前に入手する必要があるでしょう。

クリーニング店では詳細な素材の使用量などは判りませんから、クリーニング事故を起こす可能性も高くなりますのでお引き受けできない場合もあります。

ドライクリーニングでの洗浄

ここでは、ドライクリーニングの時の溶剤や洗剤の役割を見てみましょう!!
溶剤(油)の中に溶けている界面活性剤は、水中の時とは逆に親水基を内側にしてミセルを作ります。
これを逆ミセルと呼び、親水基の集まりの中だけに水があるときは、白く濁ることもなく透明な液の状態を保ちます。これを可溶化と呼びます。
親水基の集まりからはみ出す程度の水がある時は、白濁した状態となり、この状態をエマルジョンと呼びます。
もっと水が増えると今度は、油の層と水の層に分かれます。

逆ミセル

水を抱えた逆ミセル
可溶化の状態
エマルジョン
逆ミセル
中に水を抱えた逆ミセル
可溶化の状態(安心)
エマルジョン状態(注意を要す)
クリーニングにおける汚れの除去は、汚れの表面にある油分を溶剤で溶かすことで溶剤中に不溶性汚れや水溶性汚れを分散させ、それを界面活性剤の集合体である
逆ミセルの中に取り込みます。
水溶性汚れをより多く落とすためには、若干の水分が必要ですが、水分により収縮などのトラブルを起こす可能性の高い繊維が洗浄対象となることが多いドライクリーニングの場合には、洗剤によって水を溶剤(油)の中に溶け込ませて透明にした状態(可溶化)で使用します。
これだと水は洗剤分子で取り囲まれているので、繊維に直接付着しないので繊維を収縮させることがほとんどありません。
 
汚れと逆ミセル
油脂の溶解
不溶性汚れの除去
     

水洗いの時とは、ちょっと異なるメカニズムで汚れを落としているのがお判りいただけると思います。
ドライクリーニングでどの程度水溶性汚れを除去できるかは、溶剤中に可溶化された水分量の多少に基本的には左右されます。
しかし衣類は水分を含んでおり、その水分が溶剤中に排出される場合もあるので、可溶化限界まで水分を保持させたソープ(洗剤)はちょっと怖いですね。
また、いくら可溶化するからといって、大量の水分を使用するとどうしても小じわが発生したり、油と水の可溶化で洗浄力が向上し、染色堅牢度の低い染料の場合には色が流れるような場合もあります。

また、『ネット使用』と表示されたものも見かけますが、ネットを使用した場合には、繊維を通過する溶剤や洗剤、乾燥時の熱や風などがネットによりかなり阻害されますので、 プリント製品や組み合わせボタンなどバインダーや接着剤を使用したものに悪影響を与えたり、乾燥が不十分な状態で出てくることもありますし、思ったほど汚れが落ちないときもあります。
ネット使用も注意が必要です。

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