衣類の害虫イガの生態を覗き見すると

昨年ですが、アース製薬(株)の研究所の方からイガの卵、幼虫、成虫を分けていただき、飼育及び観察を行っています。
イガは低温では生育、繁殖しませんが気温が上がるととたんに活発な活動を始めますね。

ここでは、イガとヒメマルカツオブシムシの生態やその行動を皆さんに知っていただくとともに、
適切な予防方法について考えてみたいと思います。
 
イガの成虫と生まれてすぐの幼虫  

衣類に害を与えるのは?

卵から孵った幼虫は、周りのものを栄養源にするとともに、筒状の巣の材料とします。
巣の色や材料は身近にあるものということです。
一種のカモフラージュでもありますよね。

私どもは孵化してサヤを作った幼虫を青い布の上に移し、その巣や布がどのように変化するのかを追いかけてみました。
その結果は ・・・

イガは年に2〜3回、産卵し繁殖します。
特に5月くらいからは気温も高く繁殖しやすい時期ですよ。

イガは ヒメマルカツオブシムシが春に産卵するのとは異なり、
一年中産卵する可能性があるので要注意!!

暖房で暖かい室内はイガにとっても好条件ですから、一年中被害に遇う危険性は高いですね。



イガ幼虫01
イガ幼虫02

生まれたばかりな幼虫を撮影してみました。

まだ体の廻りにサヤがありません。

 
イガ生育01 イガ幼虫02 イガ幼虫03

紫の生地の上で育てているイガの幼虫です。

食い荒らしている様子が伺えると思います。

拡大してみると、体の廻りに食いちぎった繊維でサヤを作っているのがお判りいただけると思います。

サヤの廻りに散らばっている薄青色の塊はイガの糞ですね。

 
イガ抜け殻

こんなの見つけたらご用心!!

イガが成長して飛び立った痕かも!?
サナギになって蝶のように羽化して飛び立ちます。

残されるのは食害にあった衣類かも

イガ幼虫04