ポリウレタン糸は変化する
         

ポリウレタン糸を使用した衣類が特に増えている傾向ではないでしょうか。
ストレッチ性があり、フィット感がある便利な素材なのですが
『 陽あるところには陰があり』その特性を知っておいて可愛がってあげてください。

 
         
ゴムに似た性質  

ゴムのように伸び縮みして、ゆるやかに復元する性質を持つものですが、
欠点もゴムと同じように、劣化すると弾力性がなくなり、すぐに切れたり
伸びてしまうことがあります。
また、ある程度以上の熱が加わると収縮して元に戻らない性質も

   
               
ウレタン底のスニーカー  

ウレタンを靴底に使用したスニーカーで、靴底部分がボロボロになった経験はありませんか?
まれには、割れる場合もありますね。

このウレタンもポリウレタンも仲間ですから、同じような性質を持っています。
確か靴には注意書きがついているのに、衣類には付いてないのが困った部分でしょうか ・・・

   
               
どれくらいの期間で劣化するの?  

空気中の水分や紫外線、熱や摩擦など様々な要因がありますので一概には言えませんが、糸の製造後大体3年を経過すると劣化が進むと言われています。決して『あなたの購入後3年』ではないことを理解してください。

また切れたり縮んだりせずに何とか生き延びたポリウレタン糸も、ハンガーに掛けての保管中に自分自身の重みで伸びてしまったり、クリーニングによって伸びてしまったりすることもあります。

これも寿命が来てしまった結果で、クリーニングに問題があるのではありません。

   
               
それ以外にポリウレタンは使用されてるの?  

ポリウレタンは糸として使用する以外にも、表地の裏などに樹脂フィルムとして張り合わされている場合があります。
防寒性を高めた冬物などに良く使用されますが、これらも劣化して樹脂が染み出したり、硬化したりのトラブルを起こす場合があります。

このように、裏に張り合わされたもの(ボンディング加工)は、裏地などで隠されており、見えないことから劣化の状況が判らないのでクリーニングする立場からは困惑させられる衣類ですね。