部分的な漂白をする前に
1)編み物(ニット)と織物の違いを知っておこう
織物 |
編み物 |
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組 織 |
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特 徴 |
伸縮性 小 通気性 小 |
伸縮性 大 通気性 大 |
汚れの付着状況 |
縦糸と横糸が比較的に密着しているので 汚れの付着が表面に多く盛り上がる |
空間が多く、汚れが隙間を通って 奥まで浸透しやすい |
2)繊維の特徴を知っておこう
たくさんの繊維がありますが、取扱いの上で役に立つ分類をお教えします
天然繊維 |
綿や麻 |
吸湿性が高い。酸に弱く、アルカリに強い。 濡れても丈夫。 |
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毛や絹 |
吸湿性が高い。アルカリに弱く、酸に強い。 濡れると縮んだり、ケバたちする。 |
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化学繊維 |
植物性原料 |
レーヨン テンセル リヨセル キュプラ アセテート ポリ乳酸繊維 |
植物性の原料を使用しているので吸湿性が高い。 濡れると強度が低下する。 酸やアルカリの影響を受けやすい。 |
動物性原料 |
ポリノジック |
動物性の原料を使用しているので吸湿性が高い。 | |
合成繊維 |
ナイロン |
合成繊維の中では吸湿性が高い。 | |
その他の合成繊維 |
吸湿性はほとんど無いが、逆に油性汚れを吸着しやすい。 |
天然繊維や化学繊維の中でも動植物性原料やナイロンなどは、汗汚れなどの水溶性汚れを吸着しやすく
ドライクリーニング(非水系洗濯:水以外の液(溶剤)で洗う方法)
では除去されず残留することがあり
時間の経過や熱の影響で無色のシミが後から発色する場合があります。
3)染色のことを知っておこう
衣類には様々な色で染色されていますが基本の色は(赤)、(青)、(黄)の三色です。(三原色)
緑は青と黄、オレンジ色は赤と黄、紫は赤と青などで作られていますし
黒という色は元々なくて、赤青黄を全て混合して作られています。
キナリは薄い茶色で、オフホワイトも薄く着色されています。
漂白するということは汚れを分解するだけでなく、染料まで分解されることにもなるので簡単にはできません。
また染料も環境問題や排水処理などの問題もあり、新しいタイプの染料に変わって来ています。
その結果、汗の残留や紫外線などによって分解されやすい色や酸やアルカリによってまったく異なる色に変わるものもあります。
汗や紫外線によって分解されやすい色は青が多いですね。
酸やアルカリによる影響では黄⇒オレンジ、水色⇒ピンクなどの実例があります。
4)家庭用漂白剤について知っておこう
家庭用の漂白剤には、漂白剤成分以外にも洗剤分が含まれています。
漂白剤にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴があるのでそれをしっかりと理解しておいてください。
酸素系漂白剤 |
粉末タイプ |
色柄物にも使用できるが、アルカリ性なので綿や麻用。 40℃以上でないと効果はあまり期待できない。 |
液体タイプ |
色柄にも使用でき、低温でもある程度効果がある。 毛や絹にも使用できる。 |
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塩素系漂白剤 |
色柄物使用不可。綿麻の白専用。 絹やナイロンに使用すると黄色く変色する。 ポリウレタンは脆化する。 |
家庭用の漂白剤を薄めて部分的な漂白に使用する時は、後からすすぎを忘れないように!!
洗剤分が含まれているので、後からの変色や脱色の原因になることも
5)シミの種類と構造を知っておこう
油溶性汚れ |
汚れに含まれている油性成分は水と油の反発力や 水と比較して軽い性質から表面に |
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水溶性汚れ |
水溶性成分が油性成分に囲まれて存在します | |
不溶性汚れ |
不溶性成分は重いので繊維に近い部分に | |
色素汚れ |
汚れによって繊維の染料が分解されて退色したり 汚れの色素が残ることで色が変わって見える 最初は無色だったシミが発色するなどの現象が起こります |
油性の汚れは時間の経過や熱、薬剤の影響などで表面に硬い皮膜を形成している場合があります。
このような状態では、漂白剤は汚れを分解することが出来ず、シミの廻りに拡がって周りの染料だけを分解してしまう場合があります。
まずは油性の汚れや水溶性汚れ、不溶性汚れをしっかりと落としてから残った色素だけを漂白で除去することを心がけましょう。
洗濯したから、ドライクリーニングしたから、すぐに漂白で良いかというとちょっと疑問 ・・・
場合によっては、もっと油性汚れを分解する処理が必要な場合が多いですね。
特に時間が経過しているシミの場合には
6)さぁ! 漂白してみよう!!
準備するもの:オキシフル(オキシドール)、アンモニア水、(アルコール)、精製水(いずれも薬局で手に入ります)
1) | 漂白剤を準備しよう |
100均などで販売されている小さなスプレー容器(約20cc)に オキシフル(オキシドール)を約半分入れる。 |
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2) | オキシドールを2倍に薄めるために精製水を入れる |
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3) | 薄めたオキシドールにアンモニア水を2〜3滴落として キャップを締めて振って全体を攪拌する。 羊毛や油性汚れが多く、弾かれる場合には数滴のアルコールを混ぜて使用する。 三日間くらいは使用できます。 |
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4) | 出来上がった液をシミの部分にスプレーするか、筆で少し塗ります。 塗るのは一日2〜3回をめどにしてください。 塗りすぎると漂白剤濃度が上がりすぎ、繊維や染色を傷める場合があります。 |
漂白した後はやはり水ですすぐことをお勧めします。