step_07 乾燥と仕上げ

タンブラー(回転乾燥機)の仕組み

     
ボイラーで作られたスチームを利用し熱交換器で暖めた空気を衣類が入った胴に吹き込み乾燥させます。
温度は、スチームの入る入り口や揮発した溶剤が出て行く出口の温度をセンサーで測りながら、適温を保つように調整されます。
特に石油系溶剤で洗ったものを乾燥する場合には、引火性の問題からガスなどの直火を熱源とすることはできません。
乾燥機
     

中間仕上機

ドライクリーニングの場合は、必ず乾燥後に仕上のプレスを行います。
乾燥中にスチームやドラム内の回転である程度シワを伸ばすこともできますし、お店によっては乾燥後、スチームボックスやトンネルといった中間仕上げ機を通して、スチームと揺らしたりする機械力で成型を助け
てから、仕上げ工程へ送る場合もあります。

   
スチームボックス
スチームトンネル

スチームボックス

数点の衣類をスチームと風や振動によって成型する箱状の中間仕上機。
手作業で出し入れする。

トンネル

ハンガーに掛けられた衣類がコンベアーで運ばれ、内部でスチームや風によって中間仕上げが行われて、またコンベアーで運ばれて行く。

スチームボックス
スチームトンネル
 
仕上げ工程では品物によって、様々なプレス機やアイロンを用いて最終仕上げを行います。
 
人体仕上機人体プレス
アイロンアイロン
アイロン台アイロン台
     
衣服を人形に着せて、内側からスチームを噴射し、その後に熱風により人形を膨らませて整形する仕上機。    
     
パンツトッパーパンツトッパー
ウールプレスウールプレス
サンドイッチプレスサンドイッチプレス
     
スラックス類の腰周りを整形する
ウールや合成繊維などの仕上機
スチームと圧力そして冷却による仕上げ
スラックスを左右両足同時にプレスする
     

スラックスなどは、パンツトッパーで腰と前タック部分をキレイにセットした後、ウールプレス機で折り目をセットします。

ウール用プレス機の上下コテからは、蒸気が噴き出されるようになっており、仕上げる衣類に応じて上のみの蒸気や下のみの蒸気などを使い分けます。
また、下ゴテは吸引(バキューム)機能もついており、スチームで繊維をやわらかくした後にプレス圧力で成型した衣類から湿気や熱を取り除くことで成型された状態を衣類に記憶させる役割を持っています。
また、セーターなどを仕上げる場合には下ゴテのみを使用し、スチームを出した後に熱風を出して湿気を抜くことでふんわりとした肌触りを作ります。
アイロン台には、送風噴き出し機能のあるものは少なく、バキューム機能のみのものが一般には出回っています。

     

家庭用アイロンとの違い

     
業務用アイロンは、家庭用のアイロンとはかなり異なっています。
一般的に使用されている業務用アイロンとしては、ヒートレスアイロンと電蒸アイロンと呼ばれるものがあります。
     
 
ヒートレスアイロン
ヒートレスアイロンは熱源を蒸気のみとするアイロンで、ボイラーからの蒸気を熱源および衣類の整形用スチームとして使用します。
アイロンの表面温度は、使用する蒸気圧によって変化しますが、比較的に温度が低く、電気ヒーターを使用しないことからヒートレスアイロンと呼ばれています。
電熱部が無く、薄く比較的に軽いのが特徴です。
蒸気の取り入れ口と余った蒸気を排出するドレン口の二つがそれぞれにホースで配管へ接続されています。
 
電蒸アイロン
電蒸アイロンと呼ばれるもので、ボイラーからのスチームの他に電気ヒーターによる加熱を可能としたアイロン。
サーモスタットにより品物によってプレス時の温度を変えることができる。
ヒーターを内蔵しているのでヒートレスアイロンと比較すると重たいがキッチリとした仕上げに適する。
ヒートレスアイロンと同じように蒸気の取り入れ口と余った蒸気を排出するドレン口の二つがそれぞれにホースで配管へ接続されています
 
電熱アイロン
熱源として電気ヒーターを用いるタイプ。最近ではほとんど使用されません。
旧型のものでは、サーモスタットが無く、電源を入れたままにしておくとドンドン熱くなるものもありました。
スチームが出ないために、霧吹きなどで繊維を湿らせてからアイロンを当てます。
 

業務用アイロンと家庭用アイロンの違いで一番大切なものは蒸気噴出用の穴なのです。
業務用アイロンの蒸気噴出穴はアイロンの底面積の半分くらいあります。

これは
 1. スチーム(水分と熱)による繊維の癖とりと
 2. 熱板部分による乾燥とプレスといった機能で衣類を成型しますので、

数気圧のスチームを効果的に衣類にあてるために広めの面積をスチーム噴出に準備し、残りの熱板部分で乾燥させるという構造になっています。
これによって、必要以上に高い温度を必要とせずにセットできるのです。