step_04 ドライクリーニングってどんなものなのでしょうか

ドライクリーニングとは『水以外の溶剤(液)を使用して洗う方法』です。
日本で一番普及している溶剤が石油を精製して作られた石油系溶剤と呼ばれるもの。ついで、塩素系有機溶剤のパークロロエチレンがあり、一部にはフロンなどが使用されています。
最近では、環境面での規制(大気汚染、地球温暖化、排水規制、オゾン層破壊など)から新しい溶剤も次々に開発されてきています。

   
   
石油系ドライ機    回収乾燥機
石油系ホットマシン   パーク機
(石油系ドライ機と溶剤回収乾燥機)
(石油系ホットマシンとパークロロエチレン機)
   
石油系溶剤用ドライ機は、『コールドマシン』と呼ばれる洗浄と乾燥が別個に分かれたものと 『ホットマシン』と呼ばれる洗浄〜乾燥までが同一機械で続けて行われるものに分かれます。
石油以外の有機溶剤を使用するドライクリーニング機は、全てホットマシンタイプです。
   

ドライクリーニングと家庭洗濯の違いと注意点は?

 
   

ドライクリーニングは水以外の溶剤を使用するために、水のように下水に排水できません。
だから専用の設備が置けない家庭ではドライクリーニングは出来ないのです。

また、溶剤自体が大変高価ですのでフィルターによるろ過や蒸留によって清浄化し繰り返し使用します。

溶剤は、それぞれ異なった特性(重さ・油脂溶解力・沸点など)を持っており、繊維によっては特定の溶剤では洗えないものがあります。
特に塩化ビニルは、可塑剤(樹脂をやわらかくする薬品)がドライクリーニング溶剤によって溶け出して硬化するためにドライクリーニングは行えません。
その他の樹脂コーティング品のなかにも、パークロロエチレンで溶解したり、劣化するもの(溶剤温度が低いと油脂溶解力が低下するので安全な場合もある)などがあり注意を要します。

もう一つ注意しなければいけないのが、ボタンや部分使いされている素材のなかにドライクリーニング溶剤で変化を生じるものがあること。
洗濯絵表示は主に主素材に対しての表示の場合が多く、商品を実際に洗浄テストして表示をするのではなく、使用素材やデザイン、縫製などによって判断されて絵表示がつけられている場合がほとんどです。
本来ならば、水洗い可能な商品も「水洗い ×」の表示になっている場合もありますし、副素材などを考えるとトラブルが生じる可能性のあるものが「ドライ ○」となっている場合もあります。
皆さんも注意して見てみてください。

洗剤も油に溶ける洗剤を使用しなければならないので、以前はノニルフェノールという界面活性剤が主体の洗剤が使用されていました。
しかし、環境省の研究でノニルフェノールが「環境ホルモン」であるという発表がなされてから以降はほとんどのメーカーが成分を変更しました。
現在では、ノニルフェノールは使用されていないはずです。(申し訳ありませんが、全てのメーカーの製品をチェックした訳ではないので確定的な答えは出せません)

家庭用洗剤では環境省の研究発表が行われる前からノニルフェノールの使用が廃止されていたのにドライクリーニング用洗剤が遅れたのは油に溶けるタイプの界面活性剤が少なく、高価であったためもあるでしょうが、少々時間がかかりすぎたのではないかと思っています。

   

ドライクリーニングでの液の清浄化方法

 
   
フィルター

左の図にあるのが、フィルターの断面図です。
ポンプによってフィルター内に送り込まれた汚れを含んだ溶剤は、ろ紙を通過しながら大きなゴミ(糸くずや泥など)をろ過し、次に活性炭によって色素や微細な粒子をろ過して心棒を通り戻されて行きます。
フィルターによっては、組み立て式のものやろ紙のみのフィルターもあります。
ろ紙のみを使用する場合には、別途カーボンタンクを使用するか、蒸留を行わないと色素などの除去ができません。

下のスピンディスクフィルターは、産業廃棄物となる使用済みフィルターの廃棄量を減らすことができるもので、外胴内にたくさん並べられたポリエステル製のメッシュフィルターを通過させて、粒子状のゴミをろ過します。
一定時間ごとにメッシュを高速回転させ、付着した粒子状の汚れを除去します。
この場合にも色素やメッシュを通過するような汚れの除去のために、活性炭の使用や蒸留が必要となります。