| (目的)
第1条 この法律は、クリーニング業に対して、公衆衛生等の見地から必要な指導及び取締りを行い、もってその経営を公共の福祉に適合させるとともに、利用者の利益の擁護を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この法律で「クリーニング業」とは、溶剤又は洗剤を使用して、衣類その他繊維製品又は皮革製品を原型のまま洗たくすること(繊維製品を使用させるために貸与し、その使用済み後はこれを回収して洗たくし、さらにこれを貸与することを繰り返して行なうことを含む。)を営業とすることをいう。
2 この法律で「営業者」とはクリーニング業を営む者(洗たくをしないで洗たく物の受取及び引渡しをすることを営業とする者を含む。)をいう。
3 この法律で「クリーニング師」とは、第6条に規定する免許を受けた者をいう。
4 この法律で「クリーニング所」とは、洗たく物の処理又は受取及び引渡しのための営業者の施設をいう。
(営業者の衛生措置等)
第3条 営業者は、クリーニング所以外において、営業として洗たく物の処理を行い、又は行わせてはならない。
2 営業者は、洗たく物の洗たくをするクリーニング所に業務用の機械として、洗たく機及び脱水機をそれぞれ少くとも1台備えなければならない。ただし、脱水概の効用をも有する洗たく機を備える場合は、脱水機は、備えなくてもよい。
3 営業者は、前項に規定する措置のほか、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 クリーニング所及び業務用の車両(営業者がその業務のために使用する車両(軽車両を除く。)をいう。以下同じ。)並びに業務用の機械及び器具を清潔に保つこと
二 洗たく物を洗たく又は仕上を終ったものと終らないものに区分しておくこと
三 洗たく物をその用途に応じ区分して処理すること
四 洗場については、床が、不浸透性材料(コンクリート、タイル等汚水が浸透しないものをいう。)で築造され、これに適当なこう配と排水口が設けられていること
五 伝染性の疾病の病原体による汚染のおそれのあるものとして厚生労働省令で指定する洗たく物を取り扱う場合においては、その洗たく物は他の洗たく物と区分しておき、これを洗たくするときは、その前に消毒すること。ただし、洗たくが消毒の効果を有する方法によってなされる場合においては、消毒しなくてもよい。
六 その他都道府県知事が定める必要な措置
(利用者に対する説明義務等)
第3条の2 営業者は、洗濯物の受取及び引渡しをしようとするときは、あらかじめ、利用者に対し、洗濯物の処理方法等について説明するよう努めなければならない。
2 営業者は、洗濯物の受取及び引渡しをするに際しては、厚生労働省令で定めるところにより、利用者に対し、苦情の申出先を明示しなければならない。
(クリーニング師の設置)
第4条 営業者は、クリーニング所(洗たく物の受取及び引渡のみを行うものを除く。)ごとに、1人以上のクリーニング師を置かなければならない。ただし、営業者がクリーニング師であって、自ら、主として一のクリーニング所においてその業務に従事するときは、当該クリーニング所については、この限りではない。
(営業者の届出)
第5条クリーニング所を開設しようとする者は、厚生労働省令の定めるところにより、クリーニング所の位置、構造設備及び従事者数並びにクリーニング師の氏名その他必要な事項をあらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。
2 クリーニング所を開設しないで洗濯物の受取及び引渡しをすることを営業としようとする者は、厚生労働省令の定めるところにより、営業方法、従事者数その他必要な事項をあらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。
3 前二項の規定により届け出た事項に変更を生じたとき、又はクリーニング所若しくは前項の営業を廃止したときは、営業者は、厚生労働省令の定めるところにより、速やかに都道府県知事に届け出なければならない。
(クリーニング所の使用)
第5条の2 営業者は、そのクリーニング所の構造設備について都道府県知事の検査を受けその構造設備が第3条第2項又は第3項の規定に適合する旨の確認を受けた後でなければ、当該クリーニング所を使用してはならない。
(地位の承継)
第5条の3 第5条第1項又は第2項の届出をした営業者について相続、合併又は分割(当該営業を承継させるものに限る。)があつたときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該営業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割によって当該営業を承継した法人は、当該届出をした営業者の地位を承継する。
2 前項の規定により営業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(クリーニング師の免許)
第6条 クリーニング師の免許は、都道府県知事がクリーニング師試験に合格した者に与える。
(試験)
第7条 クリーニング師の試験は、次の名号に掲げる科目について、都道府県知事が行う。
一 衛生法規に関する知識
二 公衆衛生に関する知識
三 洗たく物の処理に関する知識及び技能
2 都道府県知事は、少くとも毎年1回以上前項の試験を行わなければならない。
3 第1項の試験を受けることができる者は、学校教育法(昭和22年法律第36号)第47条に規定する者とする。
第7条の2〜第7条の19(略)
(登録)
第8条 都道府県に原簿を備え、クリーニング師の免許に関する事項を登録する。
2 この法律に定めるものの外、クリーニング師の免許、試験及び登録に関して必要な事項は、政令で定める。
(クリーニング師の研修)
第8条の2 クリーニング所の業務に従事するクリーニング師は、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事が厚生労働大臣の定める基準に従い指定したクリーニング師の資質の向上を図るための研修を受けなければならない。
2 営業者は、そのクリーニング所の業務に従事するクリーニング師に対し、前項に規定する研修を受ける機会を与えなければならない。
(業務従事者に対する講習)
第8条の3 営業者は、厚生労働省令で定めるところにより、その業務に従事する者に対し、都道府県知事が厚生労働大臣の定める基準に従い指定した当該の業務に関する知識の修得及び技能の向上を図るための講習を受けさせなければならない。
(業務従事者の業務停止)
第9条 都道府県知事は、営業者又はその使用人で、洗濯物の処理又は受取及び引渡しの業務に従事するものが伝染性の疾病にかかり、その就業が公衆衛生上不適当と認めるときは、期間を定めてその業務を停止することができる。
(立入検査)
第10条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該吏員に、クリーニング所又は業務用の車両に立ち入り、第3条、第3条の2第2項及び第4条に規定する措置の実施状況を検査させることができる。
2 第7条の13第3項及び第4項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
(措置命令)
第10条の2 都道府県知事は、営業者が第3条、第3条の2第2項又は第4条の規定に違反していると認めるときは、当該営業者に対し、期間を定めて、これらの規定を守らせるために必要な措置をとるべき旨を命じなければならない。
(営業停止処分等)
第11条 都道府県知事は、営業者が前条の規定による命令に従わないときは、期間を定めてその営業の停止又はクリーニング所の閉鎖若しくは業務用の車両のその営業のための使用の停止を命ずることができる。
(免許取消)
第12条 都道府県知事は、クリーニング師がクリーニング業に関し犯罪を犯して罰金以上の刑に処せられたときは、その免許を取り消すことができる。
(聴聞等の方法の特例)
第13条 前2条の規定による処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第15条第1項又は第30条の通知は、聴聞の期日又は弁明を記載した書面の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)の1週間前までにしなければならない。
2 第11条の規定による閉鎖の処分又は前条の規定による免許の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
(権限の行使)
第14条 第5条、第5条の2、第5条の3第2項及び第9条から第13条までの規定中都道府県知事の権限に属する事項(ただし、第12条及び第13条については、免許の取消しの場合を除く。)は、地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項の規定に基づく政令で定める市又は特別区については、市長又は区長がこれを行うものとする。
2 この法律の規定に基づく都道府県知事、市長又は区長の権限の行使については、その所属の衛生主管部局長及びその所属の職員がこれを補助するものとする
(不服申立て)
第14条の2〜第14条の2の2(略)
第14条の3〜第14条の5(略)
第15条 次の各号の一に該当する者は、5千円以下の罰金に処する。
一 第5条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第5条の2の規定に違反してクリーニング所を使用した者
三 第9条の規定による業務停止の処分に違反した者
四 第11条の規定による営業停止又はクリーニング所閉鎖の処分に違反した者
第16条 第10条第1項の規定による当該吏員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、2千円以下の罰金に処する。
第17条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人をその他の従業者がその法 人又は人の業務に関して、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にクリーニング所を開設しないで洗濯物の受取及び引渡しをすることを営業としている者についてのこの法律による改正後のクリーニング業法第五条第二項の規定の適用については、同項中「あらかじめ」とあるのは、「クリーニング業法の一部を改正する法律(平成十六年法律第4号)の施行の日から三月以内に」とする。
(生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律の一部改正)
第三条 生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律(昭和三十二年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二項を次のように改める。
(営業を営む者の特例)
2 クリーニング業法の一部を改正する法律(平成十六年法律第▼▼▼号)附則第三条の規定の施行の際現にクリーニング業法に規定するクリーニング業を営む者が同条の規定の施行の日以後において同法第二条第二項に規定する洗たくをしないで洗たく物の受取及び引渡しをすることを営業とする者となつた場合における当該営業とする者(同法第五条の三第一項の規定によりその地位を承継した者を含む。)は、当分の間、第二条第一項第七号に掲げる営業を営む者とする。
附則第三項から第十項までを削る。
理 由
クリーニング業を営む者に対する苦情の状況及びクリーニング所を開設しないで行う新しい形態のクリーニングに係る取次業の出現を踏まえ、利用者の利益の擁護を図り、クリーニング業における適正な衛生水準を確保する等のため、営業者に利用者の利益を擁護するために必要な措置を講じさせるとともに、クリーニング所を開設しないで行うクリーニングに係る取次業を営む者についても一定の衛生措置を講じさせる等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
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